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: 参考文献 : 計算機物理学1 : 計算機物理学の守備範囲

最後に

これまで述べてきたように, 10 GFLOPS 級のスーパーコンピュータがかなり自由に使える時代を迎えて, 計算機物理学は基礎から応用の時代へと入った。 流体力学的計算や建造物の構造解析など, 既に実用の域に達している分野もあるが, 量子系の統計力学の場合のように, 現在のコンピュータの性能ではまだ不十分な分野も存在する。 今後も,コンピュータの能力は急速に進歩することが予想され, 現在行われている計算はより短時間で処理されるようになり, 応用の範囲が広がっていくことは疑いない。 また,場合によっては現在全く予期されていない分野の出現も有り得るだろう。 この講義を機に, 現在急速に発展している計算機物理学の世界に興味をもつ方が一人でも多く 現れれば望外の幸せである。



tamari@spdg1.sci.shizuoka.ac.jp 平成14年2月12日